強度近視とは、度数が強い近視で、眼前から眼底までの距離である眼軸長が伸びて長くなってしまっている状態が強度近視です。日本人の成人の場合、眼軸長の平均は約24mm程度といわれています。
物が見えるしくみ
貴方の目の前に見える景色は、角膜と水晶体を通て網膜に写し出された後に、視神経によって脳に伝えられ、認識され物がや人が見えてます。丁度、カメラと仕組みが似ていて、それぞれが次のような役割をしています。
強膜:カメラのボディー。
角膜と水晶体:カメラのレンズ。
毛様体筋:ピント合わせ。
虹彩:光の量を調節する絞り
網膜:像を写し出すフィルム。(ただし、フィルムは光のエネルギーを物理的なまま残しますが、網膜では意味のある「画面」にして脳に送ります。)
脳:送られてきた「画面」を「現像」して「見る」役割。
近視、強度近視の人への注意
目次
近視の分類には、強さによる分類と単純近視と病的近視に分けられています。
強さによる分類として、屈折度(度数)によって分類されます。屈折度の単位はジオプトリ―(通常Dと書く)が用いられています。
① 弱度近視 …………… -0.5D以上-3.0D未満の近視
② 中等度近視 ………… -3.0D以上-6.0D未満の近視
③ 強度近視 …………… -6.0D以上の近視
近視の眼とは?
視力が弱いといえば近視と思われやすいように、近視になってしまった眼には、眼鏡矯正やコンタクトレンズ等の補正が必要となります。
しかし、眼鏡は見かけの問題や使用上の不便さから、近視の子供を持つ親に嫌われます。確かに、遠くを見るとぼやけて見にくく不便ですが、軽い近視の内は、目を細めたりして遠くを見たりしていることも多く、また、近くを見るには目を近づけさえすれば見えるため、特に不自由はありません。
むしろ、正視の人が老眼鏡の必要な年齢になっても、近視の方は近用眼鏡を必要としない場合があり、老視に有利とされています。
ただ、強度近視に関しては、後に述べるような疾患と結びつく例がありますので注意が必要です。
近視はなぜ起こるか
近視には遺伝と環境が互いに作用しあっていて、その本能はまだ十分に解明されていません。強度近視では、眼軸(眼球の長さ)が延長していて、遺伝にかかわる場合が多く見られます。一方、軽い近視では環境の影響が大きく、近視になりやすい子供が本を読みすぎたり、コンピューターばかりしていると近視を生じやすいといわれています。
近視の進行に関係する因子としては、目を使う近くの仕事(近業)が最も重視されており、他に調節や眼圧作用なども関係していると考えられています。
近視の予防と進行防止
近視の予防として、①体にあった机と椅子を使う。②適切な照明。③正しい姿勢。④はっきりした活字を読む。などが読書をする上で重要と考えられ、積極的な予防法として、遠方を見たり、眼科において器具を使った訓練などが行われています。もちろん、健康管理も重要です。
近視の進行防止対策として、環境因子、特に近視どきに毛様体(目の水晶体を調節する筋肉)が異常に緊張するのをやわらげる方法が考えられていますが、現段階において、どれも完全なものとは言えません。
近視の進行防止対策
1)望遠訓練
2)調節の減少
眼鏡や薬物点眼で調節の負担を軽減することにより、近視の進行が遅れるといわれています。特に偽近視(仮性近視)には薬物点眼療法がよく用いられています。
3)その他
ハードコンタクトレンズの使用により、近視の進行が遅れるという意見もあります。
強度近視の目に起こりやすい病気
飛蚊症
これは目の中の大部分を占める透明な硝子体に混濁ができて、蚊が飛んでいたり、糸くずが付いているように見えるものを言います。
特に、明るい空や白い壁などを背景にして見ると混濁がよく分かります。また本を読むとき、この混濁が気になって邪魔になったりすることがあります。この混濁は中年以上になると現れることが多く、そのほとんどが硝子体の変性とされています。
近視眼では若い年齢からこの混濁を見ることが多く、通常、放置していても悪くなりませんが、ときに網膜剥離を引き起こすことがあるので注意が必要です。
網膜剥離
眼の網膜がはがれてくるもので、飛蚊症がひどくなったり、黒い膜が狭くなったり、視力低下を生じ、そのまま放置すれば失明にいたるものです。網膜剥離は一般に近視眼に多いとされていますので、眼を打ったりすることのないよう注意が必要です。網膜に変性や裂孔が早期に見つかると、レーザーでくっつけて予防できますが、網膜がはがれてしまうと入院手術が必要です。
緑内障
∸6.0D(ジオプトリー)以上の強い近視の人の約3%が緑内障を合併するといわれ、一般よりも高率に発生しています。
白内障
強度近視の人では普通より早く、中年になって白内障が起こるため、視力障碍が起こり、明るいところでまぶしさを感じる様になります。
黄斑部変性症
網膜の中心部、黄斑部が起こしてくると視力が低下してきます
最後に
手を遠くから目に向けてゆっくり近づけ、焦点が合う距離が11㎝以下の場合、強度近視が疑われます。確認する際には目を細めるなどせず、自然に見てはっきり見える位置を確かめましょう。
強度近視は、さらに深刻な視力低下につながる網脈絡膜萎縮、近視性牽引性黄斑症、緑内障などを合併症として発症するリスクが高く、異常の早期発見のために定期的な眼科受診が重要になってきます。
取り扱い店舗:
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[公開日] 2024年06月09日
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