光感度&視覚集中力
眼球の一番奥にある網膜には、光センサーとして錐体と杆体という2種類の異なった視細胞がある。錐体は、視軸の中心部に多く存在し明るい光のもとで色や形をはっきり識別する能力を持っており、その数は約700万個と言われている。杆体は、中心から20~30°離れた周辺部に多く、さらに網膜の辺縁部にも存在する。数は1億個以上あり暗い中で光を感じたり、眼前を動く物体を感じ取ったりしている。
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光感度
目次
暗さやまぶしさの中で視力を発揮する能力。
コントラスト感度とはちがう能力
光感度は、暗い中で、ものをしっかり見る能力が含まれるので、コントラスト感度と似た能力といえます。薄暗い中で、野球やサッカーの試合をするとき、ボールや選手の動きを正確に追うために必要な能力は、光感度であり、コントラスト感度です。
しかし光感度のほうには、暗い中で微妙な明るさや色のちがいを判別する能力だけでなく、明るすぎる背景にの中で、ものを正確に見わける能力や、まぶしいものを見たあとで、ものを正確に見る能力も含まれます。
たとえばバレーボールで、体育館の強烈な照明が眼に入った直後に、ボールを見なければならないとき、まぶすさからの回復力が弱いと、ボールを正しく見れず、レシーブやスパイクがうまく行えないことがあるのです。
網膜の細胞で能力が決まる
光感度は、網膜の細胞の性質によって、その能力が決まります。カメラのフィルムには、光が弱いときでもはっきり映る高感度フィルムや、光が強いときでもハレーションを起こさない低感度フィルムがあります。人の眼の網膜は、高感度から低感度まで、あらゆる光に適応できるフィルムが用意されていると考えることができます。
そして、弱い光に感じる網膜細胞の感度の高さ、一度強い光によって興奮し映像情報を脳に送った細胞がふつうの状態に戻るまでの時間、これらは、人によってちがうことが知られています。
この能力は先天的なもので、トレーニングによって高めることはできません。ただしビタミンAが欠乏すると夜盲症となり、暗い中での静止視力が低くなるので、レバー、ニンジン、緑黄色野菜、乳製品を十分にとることにより、この能力を正常に保つようにすることが大切です。
どうやったら鳥をカゴに入れられるか?
しばらく眼を閉じ、次に眼を開いて、鳥の絵を明るい光の中で30秒ぐらいじっと見つづけてから鳥カゴを見ると、黒い鳥がカゴの中にあらわれます。
こんなスポーツこんな場面で威力を発揮
暗さの中で視力を発揮する能力は、一般的にはあまり重要とはいえません。ある特別な場合、たとえば照明設備の不十分なグラウンドで、薄暮や夜間に野球、サッカー、ラグビーなどの試合をするとき必要とされるだけです。一方、まぶしさからの回復力は、屋外屋内の競技で、照明が視野に入る競技、屋外のボールスポーツで、ボールが空高く上がる野球、サッカー、ラグビーなどで必要とされる場合があります。
また、テrビ中継のライトやカメラのフラッシュがあるときも、まぶしさからの回復力が必要とされる場合があります。
サッカー:
照明設備が不十分な薄暮ゲームでの各種プレー/晴天時にスタンドの 陰 から日向にボールが出た瞬間のパス、シュート、トラップ/晴天時に太陽が視野に入った直後のヘディング
テニス:
照明設備が不十分な薄暮ゲームでの各種プレー/晴天時にスタンドの 陰 から日向にボールが出た瞬間の ストローク/ 晴天時に太陽 や青空が視野に入った直後のサービス、スマッシュ
野球:
照明設備が不十分な薄暮ゲームでの各種プレー/晴天時にスタンドの影から日向にボールが出た瞬間の ゴロ、フライのキャッチ/ 晴天時に太陽 や青空が視野に入った直後の フライのキャッチ
外野手のトリックプレー(見失ったフライを「キャッチ」する方法」)
まぶしさからの回復は、トレーニングで高めることができません。したがって、たとえば野球のゲームでフライが上がり、捕球体勢に入った時に強い光が眼に入ってボールを見失ってしまったら、もうお手上げです。しかし、このとき大切なのは慌てないこと。慌てた動作をすれば、塁上のランナーは喜び勇んで全速力で進塁します。こんなとき、プロの外野手の中には、大芝居を打つ人がいます。ボールを見失ってしまっても、一つも慌てず、楽々キャッチする体勢をとるのです。すると塁上のランナーは、ゲッツーを恐れ進塁できません。たとえフライをキャッチできなくても、進塁を最小限に食い止めることができるのです。
バスケットボール:
照明設備が不十分な 体育館でのシュート、パス・キャッチ/照明が視野に入った直後のリバウンド/テレビ中継のライトが視野に入った直後の各種プレー
カーレース:
薄暮の中での障害物の回避/ 晴天時にスタンドの影から日向に 出た瞬間の走行/晴天時に日向からスタンドの陰に入った瞬間の走行
視覚集中力
スポーツビジョン全般を最大限に高める能力
集中力は精神と視覚の両方に関係がある。運動選手は試合、ゲームあるいは特定の相手に対して気持ちを集中させて、精神的な準備をする。しかし、ゲームに入ると、身体的な面、すなわち視覚を一点に集中し、コントロールすることが大切になる。
見ていても見えていないことがある
校正という仕事があります。文字の間違いを発見して赤エンピツで直す仕事です。漢字や言葉を知っていれば、誰にでもできそうですが、実はなかなか大変で、素人が行うと見落としがらくさん出てきます
校正に使うスポーツビジョンは、主に眼球運動で、スムーズな視線の移動によって、中心視野で文字をとらえ続けなければなりません。ふつうの読書で行うような視線を飛ばす飛ばし読みをすれば、必ず見逃しが出てきます。
しかし、たとえスムーズな眼球運動を行っても、素人はカンペキに校正することができません。まちがった文字を見ているにもかかわらず、気が付かないで通りすぎてしまうことが多いからです。つまり、実際には眼で見ているはずなのに、見えないことがあるのです。
何故、見ているのにみえないのでしょうか?理由はいくつか考えられますが、そのひとつは、視覚集中力の不足です。集中力が不足すると、「日」(にち)と「曰」(いわく)、「日」と「月」、「士」と「土」など、まぎらわしい文字の区別がつかなくなってしまうのです。
標識が見えない初心者ドライバー
駅前の商店街の狭い道を、対向車や通行人の冷たい視線を浴びながら、バックしていくクルマを、ときどき見かけます。一方通行と知らずに入り込んでしまったのです。
誰でも若葉マークのころは、一度や二度、そんな失敗をおかします。赤地に白い横線の進入禁止の標識は、必ず視野に入るもので、見逃しそうとしてもなかなか見逃せません。標識を見るときに使われるスポーツビジョンは、主に瞬間視ですが、たとえ瞬間視の能力が低くても、標識は眼に入るはずです。にもかかわらず見逃してしまうのは、やはり集中力が不足しているからです。
「眼が切れる」とボールが見えない
野球の速球投手の投げるボールが、あまりに速い時、「ボールが見えない」という表現を使います。また、プロ野球の一流選手でも調子が悪くなると、「ボールが見えない」ということがあります。
もちろん草野球、プロ野球にかかわらず、たとえどんな速球でも、眼の前を通過するボールが見えないはずはありません。「ボールが見えない」というのは、スイングのタイミングがつかめないということでしょう。そして、タイミングがつかめない原因のひとつに、スポーツビジョンの動体視力が十分に働いていないということが考えられます。
バッティングではよく、「眼を切るな」といわれます。これは、インパクトの瞬間までよくボールを眼で追えということです。
実際には、インパクトの瞬間には眼は切れています。時速140㎞のスピード・ボールは、約0.5秒でホームプレートに達し、スイングは約0.2秒かかります。ということは、ボールが投手の手を離れて約0.3秒後には、球種やコースを見きわめて、スイングをスタートしなければなりません。手元にボールが来た時には、すでにスイング中で、バットコントロールできない状態になっているのです。
したがって、インパクトの瞬間までボールを見ても、意味がないことになります。事実、インパクトの瞬間をとらえた写真を見ると、眼は切れています。だから眼を切るな、ということは、スイングを開始するまでの約0.3秒間に、球種やコースを判断するために、しっかりボールを見ようということなのです。
このとき動体視力が発揮されるわけですが、視覚集中力が不十分だと、お。3秒間にボールも眼でとらえきれず、球種やコースの正確な判断ができません。その結果、スイングのタイミングが遅れるなどして、ジャストミートできなくなってしまうことがあるのです。
トレーニングで集中力は高められる
見ているのに見えない、ということが起こるのは、スポーツビジョンが十分に働かないためで、その原因のひとつは視覚集中力に問題があると思われます。
校正で見逃しをするのは、活字には間違いがないはず、という固定観念にとらわれたり、文字を読み進むうちに、文字の間違いより文章の内容に気をとられ、集中力が散漫になってしまうためと考えられます。
また、一方通行を逆走してしまうのは、運転技術に不安があったり、知らない街で道に迷い気が動転したりして、目の前の映像から必要な情報をみきわめられないほど集中力が鈍っているからです。
そして、野球の速球にたいするバッテイングの場合は、野次、前打席での三振などによる不安、ボールが速いという過度な先入観などにより、ボールに対する視覚集中力がそこなわれてしまうことがあるでしょう。
いずれにしろ、視覚集中力を十分に発揮できない精神的要素はいろいろとありますが、そんなとき雑念をとりはらい、見ることに集中するためには、ふだんからそうしたトレーニングを行うようにすることが大切です。スポーツビジョン・トレーニングにより、見ることに集中するという感覚も常識的に身につけます。するとゲーム中にも、自然に視覚集中力を発揮できるようになるのです。
より小さな目標に集中するのがコツ
スポーツビジョンという考え方は、すでに紹介したようにまだ新しいコンセプトで、視覚集中力についても、それほど前から注目されていたわけではありません。
■静止視力
止まっているものを見極める能力。スポーツに必要な見る能力の基礎。
■動体視力
目の前に近づいてくるものや目の前を横切るものをしっかり見る能力。
■眼球運動
高速で動くものを目で追いかける能力。
■深視力
距離感や位置の違いを正しく見きわめるのうりょく。
■眼と手・足の協調性
見て得た情報により、手や足ですばやく反応する能力。
■周辺視力
眼のはし(視野の周辺)に映るものをキャッチする能力。
■瞬間視
一瞬見て多くのものを見きわめる能力。
■視覚化能力
プレー、パフォーマンスを頭の中で想い描く能力。
■焦点調節/輻輳開散能力
遠近を交互に見るときに、すばやく眼のピント合わせをする能力。
■コントラスト感度
わずかなコントラストのちがいを見分ける能力。
■光感度
暗さやまぶしさの中で視力を発揮する能力。
■利き目と利き手・足の関係
プレー、パフォーマンスに、有利不利が生まれる。
しかし、スポーツビジョンというコンセプトが知られるようになるかなり以前から、各種のスポーツのトップ・アスリートや指導者たちは、視覚集中力を高める具体的な方法を知っていたようです。
たとえばアメリカの有名なプロのテニス・コーチ、ティモシィ・ゴールウェイは、正確なグラウンド・ストロークをするために、テニスボールの縫い目に焦点を合わせるか、集中するようにと指導しました。
また、NFLクリーブランド・ブラウンズのコーチだったブラント・コリアは、クォーターバックに、レシーバーの体全体ではなく、胸、肩、顔、腰などに焦点を合わせるようにと指示しました。ニューヨーク・ジャイアンツの名クォーターバック、スコット・ブルナーもブラウンズの意見には賛成のようで、「目標を小さく決めると、ミスがへり、正確性をあげられる」といっています。
あるいは、NBAニューヨーク・ニックスで活躍したビル・ブラッドレーは、ニックスに入る前プリンストン大学で、21回連続フリースロー成功という大記録をつくりましたが、その秘訣は、フリースローのときリング全体を漠然と見るのではなく、ネットをリングに固定するためにリングの下に取り付けられた小さなスチールの穴のひとつに集中することでした。
これらの話に共通しているのは、目標を漠然と見るのではなく、目標の中のより小さなポイントに焦点を合わせることです。それにより、視覚集中力が一段と高まり、動体視力、眼球運動、深視力などのスポーツビジョンが効果的に働き、ひいてはすぐれたプレーやパフォーマンスが生み出されることがあるのです。
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[最終更新日] 2023年07月16日 /[公開日] 2021年10月10日
カテゴリー:度付きスポーツサングラス,スポーツメガネ