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スポーツと眼 2

トップレベルのスポーツ選手は眼が良い

スポーツ競技によっては、視力や視機能には関係なく技術の向上もあります。

「百聞は一見にしかず」と言われるぐらい、情報の受け渡しは耳(聴覚)よりも眼(視覚)のほうが格段に多いと思われます。つまり、スポーツに限らず人間の生活の情報は眼から始まって、脳や体に伝達されている訳です。

たとえば、サッカーは、視力(静止視力)だけではなく、「見る視力」という様々な目の機能が必要なスポーツです。ここで言う見る視力とは、「動体視力」「眼球運動」「焦点調節/輻輳/開散」「深視力」「瞬間視」「目と手・足の協調性」「周辺視力」「視覚化能力」「視覚集中力」のことです。サッカー選手は鷹の目が必要かも知れません。

サッカーでの目の動きは大切。
スポーツと眼 抜粋

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スポーツメガネ専門店メガネのアマガン センター店
スポーツグラス度付き専門店メガネのアマガン

メガネのアマガンセンター店は、西は神戸市/芦屋市/西宮市と東は大阪市、北は伊丹市/川西市/宝塚市/三田市の間に位置する尼崎市で、1956年に眼鏡専門店として開業いたしました。当店では、平成17年より度付スポーツメガネの制作にあたり、様々な問題を解決するために、度数補正システムを初め、ハイカーブフレームに度数を挿入いただいた体験コーナー、ハイカーブレンズ加工機を設置しております。

スポーツは眼からはじまる

メガネかコンタクトか

コンタクトレンズは、ずれにくい、ケガの心配が少ない、落ちにくい、曇らない、視野が格段に広いなどのメガネにはない利点があるので、スポーツでの視力矯正にすぐれている。

スポーツどきのコンタクトレンズ。

しかし、ホコリで眼が痛い、長時間の使用で眼が乾燥するなどの、コンタクトならではの短所もある。とくに土ぼこりの立つような屋外コートや、風の強い日のスポーツではこれらのクレームが多くなる。

また、おもにハードレンズに多いが、ずれたり落ちたりすることがあり、競技中、コンタクトを捜すコンタクト・タイムアウトという場面もしばしば見受けられる。このような場合、レンズを落としてプレーが続けられないことのないよう、スペアーはつねに用意しておきたい。メガネが不向きなスポーツは、サッカー、ラグビー、バスケットボールのように激しい身体接触のあるスポーツ、体操のような回転が多いもの、スキー、スケートのような眼鏡が抵抗の一部になったり、急激な温度差で曇るようなスポーツである。メガネでもさしつかえないのは、標的競技、ゴルフのような比較的運動量が少ない静的スポーツである。
ゴルフは中高年の人口が多いが、中高年はしだいに調節力が不足してくるので、遠距離よい視力が出るように矯正すると、スコアカードの記入や足元のボールに焦点が合わないという影響が出てくる。中間距離が明視できるような、累進部の広い連続多焦点レンズが適している。しかし、スポーツでの矯正からすれば特殊部類である。
コンタクトレンズの光学的な利点は不正乱視が矯正できることである。不正乱視は角膜表面の凹凸が不規則なため光が乱反射するもので、その多くは後天的に角膜の病気やケガで生じる。メガネレンズでは矯正できない場合があるが、コンタクトレンズは角膜表面に密着し、涙液がレンズと角膜の間をうめるので表面の凹凸がなくなるためである。
現在、コンタクトレンズにはハードレンズ(HCL)、ソフトレンズ(SCL)、酸素透過性ハードレンズ(GPHCL)があり、それぞれに特徴がある。ソフトレンズはレンズ怪が大きく動きが少ないことや、レンズが落ちにくいなどのほか、レンズが柔軟なためレンズによる眼への障害が少ないなどの利点ある。
視力矯正の原則は、まずメガネを考え、距離感や周辺視野に違和感を感じるようならば、次にハードレンズを、ハードの異物感に合わないときにソフトレンズを考えるのが原則である。
スポーツでの矯正をメガネでという場合、レンズによるケガや重さを考慮すればガラスレンズよりプラスチックレンズのほうがいい。プラスチックレンズとガラスレンズを比較すると、プラスチックレンズはガラスレンズの2分の1の重量で、衝撃に対する強度は2~3倍あるとされている。

2つの動体視力

スポーツに欠かせない静止視力
静止視力検査機
静止視力SVA

一般に視力といえば静止視力のことである。日常生活では静止能力が重要であるが、交通視覚やスポーツの分野では動くものがほとんどなので、静止しているものを見る視力よりも、動くものを明瞭する視力の方が意味があるのではないかという考えがあり、視標を動かして動くものを見る視力(動体視力)を測定しようという試みが以前からおこなわれている。

動くものに対する視力の研究は、わが国と欧米、とくのアメリカとでは異なる経緯がある。ルドビッヒは、視標を円弧状に動かし、これを明視する視力の研究を重ねている。ルドビッヒはこのような視力SVAに対し、Dynamic Visual Aculity(DVA)と名づけている。

2種類の動体視力
DVA左右の動きの動体視力 KVA奥から手前にくる動きの動体視力

DVAは、円弧状のスクリーンにランドルト環を左右に移動させ、見る距離(視距離)を一定にして、切れ目の判読をするものである。どのくらいまで速度が遅くなったとき判読できたか、速度の低下率で測ろうというものである。視距離が一定なのでDVAに関係するのは、視標の動きに合わせて滑らかに動く眼球運動と視野の広さであるという。現在、アメリカの動体視力は、水平方向に動くものを見る能力という概念である。
一方、わが国では動くものに対する視力の研究は交通視覚がもとになっている。眼の前に直進してくるものや、自分が直進したとき、相対的に直進してくることになる対象を明視する視力という考えである。主として鈴村によって研究がすすめられた。鈴村は動く視標に対する視力を動体視力と呼び、直線的に遠方から眼前に近接する物体を明視する能力と定義し、これをKinetic Visual Aculity(KVA)と名づけられている。

奥から手前に来る視力の能力を測定するランドルト環
ランドルト環

動体視力計は、ランドルト環が50mの距離から眼の前に直進してくるように見えるレンズを使った装置で、標準的には視標は8.3m/secの速度で動くようになっている。直進してくるランドルト環の切れ目がわかったところでボタンを押し、何mの距離で判別できたか、その距離を視力値におきかえるものである。DVAが速度の低下率で表すのに対して、KVAは視力値で表すことができる特徴がある。動体視力計はその後いろいろな改良が重ねられ、現在では装置もコンパクトになり、視力値もデジタル表示されるようになっている。鈴村によれば、動体視力には眼の調節作用、網膜機能、中枢が関係しており、なかでも視標の動きに合わせた滑らかな調節作用がもっとも重要であるという。

DVAもKVAも、ともに対象が動いているので「視標の切れ目がわかった→ボタンを押す」という反応時間が含まれ、実際にわかったところより若干、視力値はわるく(低く)なる。したがって、とくに反応時間の遅い幼児、子ども、老人などの動体視力の測定では実際に視力がわるいのか、見えているが反応が遅いのかを考慮しなければならない。

動体視力の発達

一般に動くものを見るときの視力は低下しているが自覚的に感じないことが多い。動体視力(KVA)は、動くものの速度が速いほど低下が大きい。たとえば、静止視力が1.2であっても、時速30kmで動けば視力は0.9、60kmでは0.8に、100kmでは0.6ぐらいに低下する。

さて、このような動くものを見る能力は、いつごろから発達するのであろうか。
図7は、渡辺らが観測した満5歳から11歳までの幼児・児童の静止視力と動体視力の発達の様子である。(注→この測定では、反応時間の遅れが視力値に影響しない工夫がされている。)
まず、静止視力をみると、5歳児で静止視力はすでに1.25あり、その後、少しずつ向上している。10~11歳の視力は約1.30である。3~17歳の視力を測定した大江の結果では、5歳児の視力は1.19、6歳では1.12、7歳は1.32である。その後もじょじょに向上し、10歳では1.37、11歳では1.35で、渡辺らの結果とほぼ一致している。静止視力は5歳までに急速に発達し、すでに5歳児でほぼ大人並みの視力があり、その後は少しずつ向上して、9~10歳ころまでにできあがるようである。


これに対して動体視力はどうであろうか。渡辺らの結果によれば、動体視力は5歳児ですでにお0.95である。その後、6歳から10歳までに少しずつ向上している。渡辺らは、動体視力は静止視力の発達に追いつくとしている。また、動体視力の発達に男女差はないとしている。

渡辺:渡辺義行/他

「運動が視機能機能に与える影響に関する研究ー運動が動体視力に与える影響にについてー」大同工業大学紀要.10.33ー40.1974年参照

動体視力のトレーニング

前述したように、わが国の動体視力研究経緯は、主としてドライバーの交通視覚の分野が主であったため、これをスポーツに応用した研究は少ない。
山田はスポーツと動体視力の関係について多くの研究をおこなっている。そのなかでスポーツ選手は動体視力がすぐれており、また動体視力はトレーニングによって向上するとしている。山田の実験は次のようである。
大学生のスポーツ選手(ボールゲーム)と、日常、スポーツをしていない大学生、各々10名を選んで21日間連続して、動体視力(KVA)の主因と考えられる調節能力をトレーニングしたものである。トレーニングとは、accommodo-polyrecorderという装置を使って、5mの距離のところと、その人の近点に視標を交互に提示し、これにすばやく眼の焦点を合わせることをくり返すものである。近点に提示された視標を明視できるまでの時間(これを調節緊張時間という)が短縮すればトレーニング効果があったと判定するものである。

その結果、日頃スポーツをしていない大学生の調節緊張時間は急速に短縮し(トレーニング効果があった)、21日間のトレーニングの終わりごろにはスポーツ選手とほぼ同じになり、しかもこの時間が短縮するとともに動体視力も急速に向上したのである。
一方、スポーツ選手もこのトレーニングによって調節緊張時間も短縮し、それに応じて動体視力も向上したが、スポーツをしていない人にくらべてその効果はわずかであった(図8)。
つまり、動体視力は調節能力のトレーニングによって向上すること、そして、それは日頃スポーツをしていない人に顕著であるということである。

パイロットや白バイ隊員のように、直進してくるものを明視することになる人の動体視力は、一般人にくらべてよいといわれる。動体視力のいい人がこれらの職につくわけではないだろうから、日常の業務がいつのまにか動体視力のトレーニングになっているとみるのが妥当だろう。したがって、スポーツ選手の動体視力がいいのも、日頃、動くボールを追跡したり、明視したりすることをくり返すことが、おのずと動体視力のトレーニングになっているからではないかと思われる。ただ、この実験を通して、スポーツ選手の動体視力の向上がほとんどなかったことは、すでにある域にまで達している場合には、動体視力の向上は少ないことを示唆しているようである。

山田:山田久恒/他

「動体視力に関する研究ー眼調節筋のトレーニングが動体視力に及ぼす影響について」体育学研究.14.73ー81.1967年

スポーツ選手はDVAもよい

スポーツ選手は左右に動くものを明視する能力であるDVAもすぐれているようである。ルースらは、大学の野球選手18名と、非スポーツ選手25名のDVAを比較している。半円型のスクリーン上を視力値0.8に相当するランドルト環を移動させ、最高速度が100/secからスタートして、どのくらい速度が低下したときに、切れ目の方向が判別できるかというものである。その結果、非スポーツ選手が平均69.6+-・3/secであったのに対し、スポーツ選手は平均83・9+-18.8/secと、有意にスポーツ選手がすぐれていたというのである。

動体視力測定器

彼らはスポーツ選手のDVAがすぐれている理由について、素質的にスポーツ選手は能力が高い、あるいは練習をくり返すことによるトレーニング効果、という二つを考えているが、先のKVAのトレーニング効果からするとDVAも日頃のスポーツによる練習効果とみるのが妥当ではなかろうか。
先に、KVAの動体視力は速度が速いほど低下も大きい、としたが、DVAの視力も対象の速度が速いほど低下する。

低下の度合について、メスリングらの実験によれば、静止視力が約1.3であれば視標が30/secで動くときには1.0になり、50/secでは0.8に、100/secでは0.6に低下するという。視力が低下する原因は、高速(60/sec以上)で視標が動くときには、対象の速度が速いため、網膜の視細胞レベルでの受容がうまくいかないことが視力低下のおもな理由で、低速(50/sec以下)では、追跡するときに対象が中心窩をはみだしてしまうという眼球運動の問題であるとしている。以前、「スポーツ選手の眼」をとりあげたテレビ番組のなかで、スポーツ選手のDVAに関しておもしろい実験をおこなっていた。新幹線のホームに立ったアイスホッケー日本リーグのゴールキーパーの選手に、眼の前を通過する列車の窓にはられた文字が読めるか、といものであった。この人には、たんに窓に文字が一つ書かれていることだけ知らされ、何両目か、文字が何であるかなどはいっさい知らされていない。にもかかわらず、このキーパーは眼の前を時速200km(秒速55m)で動くものも難なく判読できるのである。文字の判読は網膜中心窩にとどめなければできない。文字らしきものが視野内に飛び込んできたら、ただちにそれに正確に眼が跳んで(saccadec movement)、スムーズな眼球運動(smooth pursuit movementおそらく、頭も一緒に動いている)で、文字を中心窩にとらえながら一瞬のうち判読する。このような選手は、中心窩から文字をはずさないように「眼球運動+頭」を動かすことが非常にすぐれているのではないかと考えられる。

イチロー選手のお話:

イチロー選手は小学3年生から中学3年生までの7年間、毎日、バッティングセンターに通ったと言われています。中学になると、バッティングセンターではイチロー選手用の特性のバネでピッチングマシンをつくり、超高速ボールで練習を重ねたという逸話があるそうです。

動体視力は5歳から10歳の5年間に急速に発達します。10歳から15歳の5年間で上昇は鈍り、15歳ごろをピークに下降傾向が徐々に強まっていきます。

イチロー選手がバッティング練習をした時期は、まさに動体視力が急速に伸びる時期とピッタリ重なっています。

[最終更新日] 2021年03月10日 /[公開日] 2021年03月01日
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