スポーツと眼の関係は大切
スポーツは、自分を含めチームや相手選手、またボールや用具など、すべてが動いているという特殊な状況にあるため、通常の生活で必要とされる以上の「眼の能力」が求められます。
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眼球運動
見ようとするものに目をすばやく正確に動かし、ものの状態を見ることができる能力をいいます。動体視力と異なるのは、視線をあちこちに断続的に切り換える跳躍運動があるということです。この目のすばやい動きは、おおよそ600度/秒まで対応できると言われています。
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1分間に162回のラリーを追う眼
ある記録によれば、卓球のラリーの世界記録は、1分間に162回とか。1秒ただずでボールが行って返ってきてしまうわけです。ということは、0.4秒に1階の割合でストロークをくり返すことになります。大変な忙しさです。
まず、相手のストロークを見て、くり出されるボールの角度、コース、球質を判断し、実際に飛んでくるボールを眼で追い、自分のストロークの補法を決め、ボールをたたき、自分の打球の方向を眼で追う。
このように多くのことを、ほんの一瞬のうちに行い、それを何回もくり返さなければならないのです。
天才卓球少女「愛ちゃん」のプレーぶりを見てもわかるように、彼女の真剣な瞳は、激しくすばやくボールを追い続けます。卓球ではさまざま角度、コースに高速で動くボールを、常に眼で追跡しなければなりません。この目標を追跡する目の動きを、眼球運動といいます。
眼球運動はなぜ起こるのか
難しい説明はさけますが,視線の方向がサッと動いたり、パッと変わったりするのは、人間の眼の中心で目線をとらえようとするためです。人の眼は、中心だけでなくそのまわりでもものをとらえて見ることができます。たとえば部屋の時計を見ると、時計だけでなく、その隣の絵やポスターも眼に入ります。
しかし人の眼の仕組みは、眼の中心に入るものの色や形がよく見えるようになっていて、そのまわりのものの色や形は、あまりよく見えていないのです。だから眼は、常にままぐるしく動き、目標を眼の中心に入れて、形や色をはっきり見ようとするのです。
なお、眼球運動は、「追従運動」と「跳躍運動」の2種類に分けられます。 「追従運動」 とは、眼の中心でものをとらえたまま、ものの動きに合わせて眼球を動かす運動です。卓球やテニスなどで、ボールを眼で追い続けるときの運動です。
「跳躍運動」 とは、いくつもの目標に、パッパッと視線を飛ばしていく動きです。サッカーのゴールキーパーが、味方のバックスの動き、敵のフォワードの動き、ボールの動きなどを、一瞬のうちに見きわめるためには、 「跳躍運動」 が必要になります。
眼球運動が鈍いと首や体が先に動く
人を背後から呼ぶと、まず目が動き、首が動き、ふり返ります。ところが、首が先に動いて、そのままふり返る人がいます。これは、眼球運動が鈍い人です。
また、読書をするときも、首が前後や左右に動く人がいます。この場合も眼球運動に問題があります。そうした動作は、日常生活では単なるクセとして見られるだけで、まったく支障はありませんが、スポーツではおおいに問題になります。
首や体を動かして眼の中心で目標をとらえる時間と、眼球だけを走らせて目標を眼の中心でとらえる時間とでは、どちらが短いか。答えは明らかに後者です。
スポーツの場面では、0.1秒のちがいが、チャンスやピンチを生み出します。いやそれ以下の時間によって左右されることもあるでしょう。また、ボディー・バランスやスイング軸のブレなどがパフォーマンスに影響するスポーツにおいては、首や体を不用意に動かすことが、致命的なミスにつながる場合もあります。眼球運動の大切さが、ここにもあるのです。
こんなスポーツこんな場面で威力発揮
眼球運動は、DVA動体視力にも必要とされる能力ですから、やはり野球、テニス、卓球、バレーボール、アイスホッケーなどのボール・スポーツで威力を発揮します。また、自分が動いて周囲のさまざまな状況をキャッチして動作しなければならないカーレースやスキーなどでも、動体視力と同様に不可欠な要素となります。
団体競技、1対1の競技を問わず、相手と戦うスポーツにおいては、相手のさまざまな動きを正確に眼でとらえ、それに対していろいろな手段をとらなければならないので、「跳躍運動」が大活躍することになります。
各スポーツで眼球運動が必要な場面
野球 眼球運動が必要な場面
打者が投球の球道を見るとき/野手の補球/打者が野手、走者の動きを見ながら打撃を行うとき/捕手が走者の動きを見るとき
テニス 眼球運動が必要な場面
サービス・レシーブ/各種ストロークのレシーブ/主審・ラインズマンの判定
卓球 眼球運動が必要な場面
サーブ・レシーブ/ラリー/審判の判定
バスケットボール 眼球運動が必要な場面
ディフェンス一般/オフェンス一般/審判の判定
サッカー 眼球運動が必要な場面
ディフェンス一般/オフェンス一般/ゴールキーピング/審判の判定
アイスホッケー 眼球運動が必要な場面
ディフェンスのインターセプト/ゴールキーピング/オフェンス一般/ディフェンス一般/審判の判定
カーレース 眼球運動が必要な場面
走行中の路面状況の把握/アクシデントの回避/ギアチェンジのタイミングのキャッチ/ピットインでの各種チェック
スキー 眼球運動が必要な場面
雪面状態の把握/コース取りの選択/旗門通過のタイミングのキャッチ
ボクシング 眼球運動が必要な場面
防御一般/ステップ・バック、スウェイ・バックのタイミングのキャッチ/攻撃一般/ウィーピングからの攻撃チャンスのキャッチ/レフェリーの判定
静止視力
スポーツビジョンの能力を高めるためには、まずは静止視力の確保が基本となります。意外に軽視されている静止視力。
見逃されやすい静止視力の重要性
例えば、視力0.1の近視の人が野球のボールをバットにあてようとしても、殆ど当てることはできません。視力を矯正することにより、初めてボールを的確に捉えることが可能になります。
しかしながら、この静止視力の重要性は、選手やコーチの間でも意外と見逃されています。ある報告では、視力矯正せずに競技を行っているものが約30%にも達していた、とあります。視力検査を定期的に行う習慣があまりないため、本人も視力低下に気づかない、また気づいてもあまり重要視せずそのままでいることが多く、指導者であるコーチも、プレーのミスを単に技術力の低さ、集中力の欠如などとして片づけてしまいがちです。
まずはメガネやコンタクトレンズを着用し、適切な視力を保つようにしましょう。その上で、スポーツビジョンの能力向上に努めることが重要です。特にスポーツビジョンの能力が発展途上にある中学生、高校生では、しっかりと視力矯正を行ってスポーツに取り組むことが大切です。
こまめに視力チェックを
静止視力は、視力の良し悪しに関わらず、常時変化しています。また発育発達期にある中高生の場合、短時間に視力が落ちることもあるため、こまめな視力チェックは重要です。
視力検査表を用いて、定期的に自分の視力をチェックする習慣をつけましょう。両眼で最低でも0.8、夕暮れ時などの暗い環境をも考慮すれば、視力1.0以上が理想です。
視力をチェックする際には、左右の違いにも気をつけましょう。左右の視力差が大きい場合は、立体感が悪くなり距離感の認識等が低下するとともに、両眼での焦点合わせにも時間がかかるようになります。正確なプレー、素早いプレーが行いにくくなり、パフォーマンスの低下につながります。
視力チェックで問題がない場合でも、眼が疲れやすい場合は要注意です。遠視や遠視性乱視の場合は、努力すれば焦点合わせができるため、必ずしも視力低下に結びつきません。
しかしながら眼は無理をして焦点を合わせているため、疲れやすく、スポーツの場面では、これが集中力の低下を引き起こし、ミスにつながることも考えられます。上術のように、視力低下や、眼の疲れを頻繁に感じるような場合は、早期に眼科医の相談を受け、適切な処置を受けるようにしましょう。
乱視はゴルフの大敵
ゴルフの乱視の影響は非常に大きく、スコアの悪さに直結する場合もあるようです。乱視は傾斜があって正確にわからず、アプローチやパットを狂わせるからです。村上隆プロは、乱視の影響をこう説明しています。
「第2打でピンをねらっていく場合、ライが常に平らに見えるんです。実際は微妙な傾斜のところにある場合がほとんどで、それがねらってたところよりも大きくズレる原因になり、だんだん悩み出すんです。」
また、海老原誠治プロはこういいます。「上りや下りのラインは確認できる。でも、いざ構えてラインを見直すと平らに見える。だから不安になって打てない、届かない。あるいはオーバーして、返しのパットも入らない。」
アプローチ、パットで悩んでいる人は、技術のせいだけでなく、乱視も原因しているかもしれません。
意外に静止視力に無関心
静止視力は、プレーやパフォーマンスに影響を及ぼしますが、プレーやコーチは、意外に静止視力に無関心です。
無関心でいる理由は、次に3つです。
①.技術力の低さ、集中力がないためとしている・・・スポーツビジョンが、競争力を支える大切な一要素であるということを知らなければ、競技力の低さの原因も、技術力、筋力、集中力などの不足にだけ求めるようになります。
②.視力の低さに気づいていない・・・視力検査はそれほど頻繁に行うものではないため、本人もコーチも視力低下に気づかない場合がしばしばあります。
③.カンによってプレーをしてしまう・・・視力が低いことを自覚している、メガネやコンタクトレンズのわずらわしさをきらい、カンに頼ってプレーする場合があります。
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[最終更新日] 2023年07月16日 /[公開日] 2021年07月24日
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