色や明るさのわずかなちがいを見分ける能力
白黒の微妙なコントラストを識別する能力で、白い背景の前の白いボールやユニフォームを認識する能力ともいえる。
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人によってコントラスト感度がちがう
目次
日本初の屋根付き球場、東京ドームができたころ、こんなことがよく起こりました。外野手が高く上がったフライをとるとき、ボールを見失ってしまうことがあったのです。白いボールと屋根の色が、とてもよく似ていたからです。甲子園の高校野球でも、白いシャツの観客席を背景にしてライナーをとろうとするとき、同じことがときどき起こります。
このように、わずかにちがう色や明るさを見わける能力は、スポーツでは非常に大切で、その能力は、人によってかなり差があることは、あまり知られていません。
つまり、コントラスト感度のすぐれたA選手は、感度の劣るB選手よりも、東京ドームや甲子園で、フライの補給ミスをする可能性が低いということです。
野球に限らず卓球やバドミントンなどでも、観客の白いシャツのボールやシャトルコックがまぎれることがあるので、コントラスト感度がプレーに影響し、勝敗を左右することもあり得ます。
感度アップは静止視力のアップから
コントラスト感度は、どちらかといえば、静止視力がいいと、いいようです。静止視力1.5の人のコントラスト感度は、0.2の人より上です。したがって、静止視力が非常に低い人は、メガネやコンタクトレンズで視力を上げれば、コントラスト感度も上がります。
また、静止視力は明るいほどよくなる、という性質も知っておくとよいでしょう。夜よりも昼間、曇りよりも晴れの日のほうが静止視力は上がり、コントラスト感度もよくなるのです。
感度アップにはビタミンA、B2を
目における栄養素の働き
動体視力や深視力など、スポーツビジョンの中には、トレーニングによって向上させることができる能力が少なくありませんが、コントラスト感度は、トレーニング効果が期待できません。
同じような明るさや色を見わける納涼は、完全に網膜にある細胞の感度によるからです。網膜の細胞をトレーニングすることはできません。網膜の細胞は、背景と目標とをはっきり見分けるために、こんな働きをしています。
図Aは、グレーの空に上がったグレーのボールです。私たちの眼には、このように映っているかのように思われますが、実は極端に説明すれば図Bのように映っているのです。
つまり、網膜の細胞は、背景から目標をくっきり浮かび上がらせるために、自動的に目標の輪郭の内側を暗く、輪郭の外側を明るくして映すのです。
この輪郭を明るくしたり暗くしたりする能力がコントラスト感度で、その能力は人によってもともとちがい、トレーニングする方法は、今のところ見つかっていません。ただし、網膜の細胞が元気なほどコントラスト感度はよくなるので、疲れを十分に取り、ビタミンA、B2をとることにより、多少の向上が望めます。
なお、ビタミンAは、レバー、ニンジン、緑黄色野菜、乳製品などから、ビタミンB2は、牛乳、レバー、 緑黄色野菜、 卵、ピーナッツなどからとることができます。
こんなスポーツこんな場面で威力発揮
ボールが背景と区別しにくくなる場合のあるボール・スポーツ、夜間や霧の中で行われることのあるモータースポーツ、スキーなどでは、コントラスト感度の能力の違いが、プレーやパフォーマンスに大きな影響を与えます。
各スポーツでコントラスト感度が必要な場面
野球 コントラスト感度が必要な場面
高いフライを白い雲を背景に捕球するとき/低いライナーを白いスタンドを背景に捕球するとき/薄暮でのバッティング、各種捕球など
スキー コントラスト感度が必要な場面
斜面のアップダウンを見わけるとき/コブの大きさを見わけるとき/霧の中での雪面の状況把握/吹雪の中での雪面の状況把握
ドライブ コントラスト感度が必要な場面
薄暮の中での対向車のスモールランプの確認
カーレース コントラスト感度が必要な場面
薄暮、雨中、霧中の走行で障害物をさけるとき
取り扱い店舗
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[最終更新日] 2023年07月16日 /[公開日] 2021年09月26日
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